いまさら。すごくいまさら。

フリクラ。
いわゆるエヴァみたいな純文学的な作品ではなく(ここでエヴァを比較としてもってきたのはまあいろいろあるんですが。)、特に深刻なテーマがあるわけではないと思う。
エンターテイメント性とか、「子供」「大人」みたいなわかりやすいテーマなのかな。
それが悪いのかって言うとそういうことじゃなくて、
やっぱりエンターテイメント性が高いと感じたのは勢いの良さ。
全編とおしてのテンションの高さというか。
正直たぶんこれってあんまり考えないで流し見するとテンションの高さ、映像としてのおもしろさにもってかれちゃうと思う。
そのくらいテンションが高い!
また、わかりやすいボーイミーツガールでもある。
それによく動く。動くアニメってやっぱり楽しい!と思わせてくれる。
表現的にもこれ2000年のアニメなのか!って今みて思える。(これって逆に…まあいいや。)
かといってすごく実験的かというとそうでもないような気もする。
どちらかというと影響受けた作品とか監督がいろんなとこからこんにちはしてる感じ。
結構話の流れが早いところとか、ちょっと流し見しないでしっかり見てると納得できるところがあったりするし。
1話25分×6本なんだけど、その間ずーっと画面から目を離さないで見てたくなる。
すごく簡単にまとめるとガイナックスらしい、見ていておもしろい作品なのかなと。


話の中には「子供」「大人」といったキーワード的な言葉がよくでてくる
ちょっとしたエピソードの中だったり話の大筋に関わるとこだったりするけど、
それはやっぱり精神的にどっちつかずで背伸びしたいけど非力っていう少年時代ならではの葛藤みたいなものが話のひとつであるからなのかな。
また、話が終始小さな町から舞台として飛び出ていかないとこもおもしろい。
岡田斗司夫の話きいてるとたまにでてくる「箱庭」。
それを逆にうまく使ってるんじゃないかな。
小学生とか少年時代の檻というか、そういうものの象徴としてかな。
主人公のセリフとかもそんな感じだったし。
世界観を広げすぎない。(主人公のね)っていうことでうまくこのへんが表現できてるんじゃないかなって思う。
成長したい自分と楽で安心できる今の場所から動きたくない自分っていうものの象徴としてヒロイン二人(委員長はおいといて!)を見ることもできたのかな。
まあつまりは大人と子供だよね。
まあ最終的には女子高生も成長?というかまあそんな感じの。
いろんな作品のオマージュだったりパロディだったり、ガイナックスならではの内輪ネタだったりもやっぱりたくさんある。
でもそれがいやらしくない。しつこくない。
つまりはそれ(元ネタ)がわかればニヤリとする部分はあるものの、それがわからなくてもそれ自体が作品にうまくとけこんでいる。
つまりは無理やり外付けしたパロディではなく、それが好きだからこそうまく作品に溶け込ませているのかなと。
最近のアニメ見てても(特に何に限った話でもないが)「あー、これ〜のパロだな。」ってのはたまにある。
でもそういうのって大抵、なんで今持ってきたの?って一瞬冷静になれちゃうくらいにテンポが悪かったり、
あんまりおもしろくつくれてないものが多いきがする。
監督だからかガイナだからか、そういうのはあんまり詳しくないからよくわからないけどうまいなあと思う。


あとSF的にというかロボットはいいデザインだよね。
話的にもすごくロボットロボットしたロボットよりもこのくらい愛嬌があるほうがすごく作品にマッチしていていい。
それにこのロボットが気持ちよく動くんだ!
SFとしての設定として話を見るとたぶん一回じゃ分かりきらない部分があるのかな。
描写されてるというか、作品から得られる情報自体があまり多くない。
意図的にそうしてるのかもしれないけど。
でも設定としてもすごく難しいものではないし、ちゃんと見たら6話できっちりわかる作りだとは思う。
多少推測の域を出ないものもあるのだけれど。
たぶんこれ2周するとまたおもしろそうな作品だなと思う。
返却までに時間あるから合間をぬってもう一回くらいは見ようと思う。


いろんな人の感想とか見てみるとおしゃれアニメ(笑)みたいな評価みかけるけど、
そういう人の他のレビュー見てみるとしょうもないアニメ持ち上げてる人が多い。あとエヴァみたいな内容でした!って言ってる人も目に付いた。
たしかにどちらも一般受けされるような作品だとは思うけど、類似性としては大きくその一点くらいじゃないの?表現みたいな細かいとこはおいといてさ。
そもそもが作品の見方としてエヴァみたいな見方をするものじゃないんじゃないかなフリクリって。
まあエヴァみたいって言葉自体がその作品がどうこうっていうよりも、エヴァが世間に与えた影響みたいな話からくる言葉なんだろうけど。


あと新谷真弓!ここもこのアニメのいいとこ!
モトコンポをたまーに見かけると「あ!逮捕!」って思うように、
これからべスパを見かけると某映画やドラマよりも「あ!フリクリ!」と思うことでしょう!
でもベースのシェイプとしての象徴は僕にとってはやはり音楽なので別になりそう。
と、まあここまでおもしろいと思った作品ではあったけど作品自体が好き嫌いとはまた別の次元でのお話でした。